皮膚について
今回は皮膚について、構造や機能についてご説明していきたいと思います。
皮膚の構造
皮膚は人体最大の臓器であり、皮膚の総面積は1万6000cm2で、厚さは1.4mmですが、重さは体重の
16%(肝臓の3倍)を占めています。
皮膚は表面から、表皮、真皮、皮下組織の3つに分かれ、これに汗腺(かんせん)、脂腺(しせん)、
爪、毛の皮膚付属器が加わっています。
表皮(角質層)
表皮は角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つの表皮細胞で構成されています。
角質層は人体の最外層であり、15〜25層からなり、手掌や足底では200層以上になると言われていま
す。手洗いや入浴、運動によって毎日剥がれます。
角質細胞は人の生体内外の境界の一つとして、重要な役割を果たしています。
角質細胞は、ケラチンと呼ばれる、硬いたんぱく質からできています。その細胞膜は非常に厚く、硬い
ので、物理的ならびに化学的刺激に対する抵抗力が強く、いろいろの刺激から皮膚を保護する働きを
もっています。
さらに、表皮細胞は外からの異物に対して炎症反応、免疫反応を起こす物質を分泌します。また、細菌
やウイルスなどの病原微生物の侵入を阻止する物質も産生します。
ヒトのからだの最外層に位置して外界からのいろいろな接触物、侵入者に対応してくれています。
表皮(顆粒層、有棘層、基底層)
顆粒層は2〜3層の扁平な細胞からなり、紫外線を吸収して体内を保護する役割が有ります。
有棘層は5〜10層からなり、表皮の大部分を占めています。
基底層は表皮の一番下層にあり、真皮とは基底膜で隔てられているが、真皮の毛細血管から酸素や
栄養補給をして分裂します(表皮細胞の中で唯一の細胞分裂能がある)
表皮の角化
最下層の基底細胞が細胞分裂して新しい表皮細胞ができ、しだいに上のほうに向かって押し上げら
れていって、有棘層、顆粒細胞、角質細胞と、かたちとはたらきを変えながら移動しています。
表皮細胞は顆粒層の細胞までは核をもっていますが、角質層の細胞になると突然核がなくなって
きます。つまり、角質層の細胞は死んだ細胞です。このような表皮細胞の変化を“分化”あるいは
“角化”と呼んでいます。
ターンオーバー・タイム
健康な皮膚では、基底細胞が分裂して顆粒細胞になって、それが角質細胞に変わるまでに14日間、
角質細胞になったものが皮膚表面からはがれ落ちていくまでに同じく14日かかります。
つまり、新しくできた表皮細胞が角質細胞になって皮膚表面からはがれ落ちるまでに28日かかります。
(これがアカやフケの成分)
これを表皮細胞の転換時間(ターンオーバー・タイム)と言われています。
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真皮
真皮は膠原線維(コラーゲンなど)と弾性線維を含む組織であり、約1.8mmの厚さがあります。
それに加えて血管や神経、リンパ管も含まれています。
膠原線維は一定の硬さと張りを加え、皮膚を支持する機能をもっており、
弾性線維は皮膚に弾力を与えています。
この2つの機能が衰えてくると、皮膚の張りと弾力がなくなってきて、小じわが寄ってきます。
乳頭層、乳頭下層、網状層の3層構造になっています。
乳頭層は表皮突起間に食い込む部分であり、毛細血管、知覚神経末端、細胞成分に富んでおり、
乳頭下層は乳頭層直下に存在する組織です。
網状層は真皮の大部分を占め、線維成分が多くなっています。
皮下組織
皮下組織は真皮と筋肉、骨格の間にあり、大部分は脂肪組織で占められています。
この皮下脂肪により体温維持やエネルギー代謝といった重要な働きや、外力に対して
クッションの役割も果たしています。
脛(すね)のように、すぐ下に骨があるところではこの層が薄く、殿部では厚くなっています。
皮膚付属器
皮膚付属器には、毛器管、汗腺、皮脂腺、爪があります。
毛器管は、毛とそれを取り囲む毛包から形成され、口唇、手、足底、粘膜を除く全身に分布します。
毛包にはアポクリン腺、脂腺が開口しています。
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があります。
エクリン腺はからだ全体にあり、暑いときに出る汗であり、交感神経に支配されています。
また汗本体は弱酸性であり、皮膚表面を弱酸性に保ってくれるので細菌の繁殖を抑えてくれます。
アポクリン腺は腋窩、乳頭、外陰部、肛門周囲といった限られた部位にのみ存在します。
エクリン腺からの汗は透明で不快な匂いはしませんが、アポクリン腺からの汗はタンパク質が多く、
濁っていて、一種の悪臭がします。これが強いものが【わきが】になります。
皮脂腺は毛孔を経て皮脂を表皮に分泌します。皮脂は毛包から皮膚の表面に出て、それを覆うように
広がります。これを皮表脂質といって皮膚の水分保持を助けたり、外来物質の刺激を防ぐ
役割があります。
皮脂腺は思春期になって発育し、働きも盛んになってきます。男性ホルモンの刺激により、男性の方が
女性よりも脂腺の発育がよく油性の皮膚をしています。
毛包に皮脂が溜まると、ニキビの元になってしまいます。
痛みの原因は皮膚にある?
近年の研究で、新たな感覚器官が皮膚の内部にあることがわかってきました。
表皮と真皮の間に存在するグリア細胞というものが、痛みの出発点である可能性があるのです。
つまり、筋肉や筋膜の動きのかたさが痛みに繋がるのと同じように、皮膚の動きにかたさが
あったりすることで痛みに繋がる可能性があるということです。
あずみの整骨治療院では、骨格や筋肉はもちろん、皮膚といったあらゆる組織から痛みの
原因を突き止め、根本的な解決を目指します!
あずみの整骨治療院
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